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■ 車両(構造)

 車両は、車長の面から大型・中型・小型の3つに、大きく分けることができる。神戸市バスの場合、「ロングバス」と呼ばれる車両(後述)でも標準尺で、それ以外の大型バスは短尺が採用されている。
 また、構造の面から5つに分類できる。「ツーステップバス」と呼ばれる車両が長らく導入されてきたが、乗降時に2段の高いステップを上らなければならず、高齢者や身体障害者が乗降しやすく、また子供や荷物を持った人でも楽に乗降できる車両の導入が求められていた。「リフト付バス」「新ステップバス」「ワンステップバス」「ノンステップバス」といった、バリアフリーバスへの歩みの始まりである。

◆ リフト付バス

「リフト付バス」のリフトが動いている状態 神戸市交通局が最初に導入したバリアフリーバスは、1992年度の「リフト付バス」であった。これまでの「ツーステップバス」で車椅子を乗車させるには、車椅子から降りて自力で上がって貰うか車椅子ごと担ぎ上げるかで、固定場所もなかった。車椅子利用者が車椅子に乗ったままバスに乗車できる車両として考え出されたのが、前扉にリフトを取り付ける「リフト付バス」であった。
 前扉のステップは普段はツーステップバスと同様2段であるが、リフトとして使用する際には一枚の板となる。横向きの折畳み式シートを採用することで、車椅子固定場所も確保された。
 導入当初は一般のバスと同じ塗装(菊水色)であったが、クリーム地にピンクの菊水色のラインを残してあじさいや小鳥をあしらった「幸せ色(通称「あじさい色」)」に1993年から変更した。
 しかし、リフトの故障が多く、高価なリフトに車両価格が吊り上り、神戸市交通局としては3台を導入した限りで増備されず、2004年度までに全車が廃車された。

◆ 新ステップバス

「新ステップバス」の可動式ステップ 神戸市交通局では「新ステップバス」を試験的に開発、1993年度に初めて導入した。これは、前扉を開けた時に、一番下のステップの半分が少し下がることで、ステップの数が通常の2段から3段に増える。段数が増えることは一見バリアフリーから遠退いているように思われるが、その分1段当たりの段差が減るため、降車時の負担は軽減される。後扉に可動式ステップは取り付けられず、乗車時の負担は改善されていない。
 地面から考えると4段あることになるため、「4段ステップバス」と呼ばれることがある。「ノンステップバス」「ワンステップバス」という呼び方で計算するとステップ数がおかしくなるため、現在は「新ステップバス」と呼ぶのが一般的。但し、2段の感覚で降りていると、可動式の3段目で足を踏み外すなどすることから、「失敗ステップバス」と不名誉な別名を付けられ揶揄されている。

◆ ワンステップバス

将来の標準型を見越して菊水色を引継いだ「ワンステップバス」 1995年度、須磨営業所(当時)に中型ワンステップバスを投入した。これが神戸市バスとして初めての「ワンステップバス」で、中型であるから成せる構造であったようだ。この時はまだ車椅子利用を想定しておらず、折畳み式シートの採用で車椅子固定場所は確保しているが、スロープは取り付けられていなかった。
 スロープ付の本格的なワンステップバスは、ノンステップバスが初投入された3年後の2001年度となる。ステップがある分、床下の余地に無理がなく、車内にもデッドスペースが少ない。車両価格もノンステップバスに比べれば廉価で、「将来の標準型」と目されて、神戸市バス伝統の「菊水色」を身にまとった。

◆ ノンステップバス

スロープを上がればそのまま車椅子固定場所の「ノンステップバス」 ノンステップバスは1998年度に登場、これは前部・中央部・後部に3つの扉を備えた特殊なものだった。「後乗り前降り」が一般的な関西の路線バス(通称「前後扉車」)では、車両の中央に扉があると利用者は戸惑うことから、まだノンステップバスが一般的でなかった当時は「3扉車」を採用、中央部の扉は車椅子の乗降用に特化されていた。しかし、これでは中扉より後ろの車内構造に無理があり、タイヤハウスの上はデッドスペース、その後ろ側には後ろ向きの座席が取り付けられ、乗るのは楽でも座るためには結局ステップを上らなければならない不可思議なものであった。
 その結果、2000年度からは全国的に標準となりつつあった前部と中央部の2扉の車両(通称「前中扉車」)を採用した。当初ほど車内構造に無理はなくなったが、中扉より後ろの座席では、タイヤハウス周辺の座席はやや苦しく、着席定員を増やした結果シートピッチなどに問題が残っている。
 塗装は「ノンステップバス」を他車と区別するため、黄緑の菊水色(「ノンステップ色」)を採用した。